二九千里会
観心寺と天野山金剛寺を拝観 初秋の河内長野を訪ねる
二九千里会では九月九日、恒例の旅行会を河内長野の歴史などを訪ねるバスツアーで楽しんだ。当日は本会のオブザーバー藤本校友会前事務局次長をお迎えして、十五人が午前九時梅田を出発。途中大きな渋滞もなく予定より早く南海高野線三日町駅に到着。本日の講師をお願いした太田宏明氏(平10院修史=河内長野市教育委員会勤務)、天井氏、八木氏が合流されて観心寺へと向かった。
二九千里会旅行会
観心寺は大層古く立派な寺院で、太田講師の説明では役行者の創立と伝えられ、古代からこの地の人々の信仰の聖地であったとのこと。国宝の如意輪観音菩薩(秘仏)、金堂、縁起資材帳のほか、多くの仏像、建築物が重文に指定されている。
観心寺にはまた、我々が学生時代に親しんだ威徳館の建物の一部が恩賜講堂として移築されていて、普段は未公開のそこへ特別に入れていただく。こんなに広かったかな、と思わず見上げる天井には、五十余年前、人生の曙に理想のごとく仰いだシャンデリアの殆んどかわらない姿があった。河内長野駅近くの河内長野荘で昼食を取って休息。
午後は天野山金剛寺を拝観。このお寺は南北朝に深いかかわりがあって、南朝北朝それぞれの天皇が、同時期行在所とされていた由緒など、太田講師から伺う。太田講師によると、河内長野市には、今日拝観した二つのお寺に遺る文化財のほかにも、多くの国宝、重文があって、六点の国宝は岡山一県のもつ国宝の数と同じということで、この地方の歴史の古さを改めて認識する。
このあとは大阪府立花の文化園へ。大庭園は限られた時間ではまわり切れず、季節の花も少ない時なので、もっぱら大温室栽培の外国産の珍しい花々を観賞した。
更に予定外であったが天井氏のご紹介で、本学OBの西條氏経営の地酒の醸造元に立ち寄る。休日の訪問とあって西條氏をてんてこ舞いにおさせして、一同名物天野酒の包みを手に帰途についた。
三日町駅で太田講師、天井氏、八木氏、電車で帰宅希望の山本氏、麻生川氏と別れて一路大阪へと向かい、夕暮れの梅田で解散した。
(森 知子)