関西大学法律相談所
千里山法律学会から独立して半世紀
独立50周年記念式典を開催
関西大学法律相談所(所長・占部洋之法科大学院教授)は、昭和37年4月13日に千里山法律学会から独立して今年で50周年を迎え、法律相談所(法相)のOB会である関西大学法窓会の主催で、平成24年11月10日午後6時半から新大阪ワシントンホテルプラザにおいて、独立50周年記念式典を執り行った。
大学から池内啓三法人理事長、楠見晴重学長、吉田栄司副学長、校友会から寺内俊太郎会長、草創期に大学院生として法律相談に参加された栗原宏武法人評議員会議長、さらに法相の顧問でもある上原洋允法人相談役(前理事長)、永田眞三郎常務理事など13名の来賓をお迎えして、現役学生20名を含む111名が出席する盛会となった。515名のOBを有する法相は独立以来の半世紀で1万2千~3千件の法律相談を行った実績があり、顧問には中谷敬寿、明石三郎、永田眞三郎の三人の元学長がおられOBから大学や校友会の役員も輩出するなど母校と切っても切れない関係にあるという小松陽一郎法窓会代表幹事の開会の辞で始まった式典では、開会冒頭の学歌斉唱に続いて、独立当初から顧問としてご指導いただいた明石三郎元学長や澤井 裕名誉教授及び物故会員のご冥福を祈って黙祷を捧げた。来賓紹介の後、元所長の千藤洋三法学部教授が、本日50周年式典を挙行できるのも法人、教学、校友会などの大学関係者各位のご助力の賜物であると謝意を述べ、相談に来られる市民の方々にとって相談時間の制限もないなどの「敷居が低い」学生無料法律相談は今後も社会的意義を失わないと挨拶された。
引き続いて、池内理事長、楠見学長、寺内校友会会長から、それぞれ次のようなご祝辞を頂戴した。池内理事長は、50年間たゆまぬ努力を積み重ねてこられたことに敬意を表する、法科大学院のことでご心配をおかけしているが教学と共に巻き返しを図っていくので法相や法窓会にもぜひご支援をお願いしたいと述べられた。続いて、ご自身も10数年前に法相の相談者となったことがあると明かされた楠見学長は、その相談の際に学生が真摯に対応してくれたことが印象に残っており学生無料法律相談は正義を権力より護れとの建学の精神を実践するものである、関大をなにわ・大阪文化遺産学の拠点とするべく進めているが法相の1万件を超える相談データはその資産となり得るのではないかと述べられた。 寺内校友会会長は、昭和37年入学なので法相の50周年を我がことのように実感している、法相と法窓会は校友会の心強い大きな柱であり母校発展のためにもぜひ力添えを賜りたいと述べられた。その後、文字通り法律相談所の生みの親、育ての親として半世紀の長きにわたりご指導いただいた上原前理事長、所長退任後も夏期移動法律相談(移相)などで変わらぬご指導をいただいた髙森八四郎名誉教授と千藤洋三法学部教授に法窓会から感謝状と記念品を贈呈し、お三方を代表して髙森名誉教授より、関大着任直後から今は亡き澤井名誉教授に誘われて移相に参加し数々の楽しい思い出がある法相に感謝しているとの謝辞をいただいた。
以上で式典の部を終えて懇親の部に移り、上原前理事長が、法相OBの各界での活躍を嬉しく思う、独立するには当時の学生の非常な努力があった、これから法相が100周年に向かうには学生の学力向上が不可欠であり、法学部を背負って立つエリートたれと言い続け、今年は法科大学院S日程入試で法相から3名合格しているが、法科大学院の立て直しのためにも一層頑張って欲しいとの挨拶の上で乾杯の発声をされた。なお、4年間の重責を全うされて任期満了で9月末に退任された上原前理事長に現役学生から花束が贈られた。
久しぶりの再会で話に花が咲き歓談が盛り上がったところで、プロジェクターで50年間の折々の写真を上映しながら、出席したOBに当時の思い出やエピソードを語ってもらい、10年刻みで移相や合宿などの半世紀の歴史を振り返っているうちに、あっと言う間にお開きの時間が近づいた。
3回生の学生所長太田直人君による現在の活動状況報告の後、小寺一矢法窓会前代表幹事から、来賓への感謝の言葉を添えて、各分野で頑張っているOBが全員元気で次の60周年も顔を揃えましょうとの閉会の辞があり、全員で集合写真を撮影した後、OBの藤本雅平氏(昭和50年卒)の前口上で逍遙歌を合唱し、名残を惜しみつつ午後9時過ぎに散会した。(加藤安宏)