松原支部
世界有数の水と土の闘い 初の住民参加行事で見学
松原支部(西田孝司支部長)は10月4日、大阪・奈良府県境にある古くからの交通の要所「亀の瀬地すべり地区」(柏原市)で、地すべり対策工事の現地見学会を開催した。
普段は個人ではなかなか入ることができない排水トンネルを歩いたり、昭和6〜7年の地すべりで埋まった後に発見された旧大阪鉄道亀の瀬隧道などを見たりし、日本の土木技術のすばらしさを体感した。
地域との連携や交流の輪を広げるとともに、関西大学のよさを知ってもらおうと、松原支部で今年から始めた住民参加の行事。世界でも有数の水と土の闘いといわれ、約50年かけて一昨年に工事が終わった地すべり対策工事を見るのは、この試みの第一弾にふさわしいと計画した。呼びかけには、校友をはじめ歴史愛好の松原市民ら約30人が参加した。
午前、電車を乗り継いで地すべり地区に着いた一行は、まず、国土交通省大和川河川事務所の地すべり資料室で工事の概要をビデオで習得。掘り出された滑り面の土や、工事に使われた資材を実際にさわるなどして関心を深めた。年間を通じて気温16度という排水トンネルに入ると、絶え間なくわき出てくる地下水に地すべりの恐ろしさも感じていた。
この後、校友で柏原市教委文化財課の石田成年主幹の案内で、地すべりで埋まったものの、今もなお頑丈に残る鉄道隧道を見学。明治25年に完成し、黒いススが残る煉瓦積みの構造に、当時の技術の高さに感動の声が出た。
帰り道は秋空に誘われ、『万葉集』にも出てくる竜田道の峠八幡神社や「日本四関」といわれる関地蔵などに立ち寄り、歴史にもふれる一日を過ごした。 (副支部長 永田徹) (西田孝司=072―336―1600)