年輪関大会
「製造業ではなく開発業である」
細田工業(株)の細田信昭社長が講演
年輪関大会(朝倉満会長)は、第15回例会を8月25日に梅田グランド白楽天で18人が出席して開催した。
例会のシリーズとして実施している「会員企業の紹介を兼ねた勉強会」は、今回、細田工業㈱・細田信昭社長を講師に実施した。
細田工業は、大手コンビニエンスストアや総菜メーカー、外食チェーン加工工場向けカット野菜の自動洗浄機では、約5割のシェアを占める食品加工自動機械の設計、製作、販売およびメンテナンスまでのすべてを自社ブランドで行うものづくり企業である。
細田工業は、製造業でなく開発業であると考えている。年々、カット野菜の需要と共に製品ニーズが多様化し、品質についても高度化が進んでいる。多品種、少量向け装置から大量生産対応、自動化ラインに至るまで、水を操る技術を熟知したボイル、冷却、殺菌、洗浄の機能に異物除去を加えた独自のソフト(メカニズムの解明と検証)を基に、装置およびシステムを可能な限りシンプルに具現化したものを開発している。
開発の基本は、シーズ先行ではなく、顧客企業の現場ニーズに即したもの、さらに、その問題提起、要望を超えた一歩先のものを目指している。それを実現するために食品生産企業のトップメーカーとの共同研究に積極的に取り組んでいる。
水を操る技術力、常識にとらわれないものづくり、業界をリードする製品開発力を基盤にした攻めの経営を推進している。最新の経営指針から会社の特色、長所、製品の特色、販売状況の生産、調達の状況など、具体的な事例、数値などを示し、進めている攻めの経営についてのドラスティックな内容が伝わった。さらに、どの会社にも喫緊の課題である事業継承についても話題にされ、オーナー経営者が多数の出席者との熱心な質疑応答を繰り広げた。非常に説得力があり、勢いのある経営戦略についての講演は、今回も経営に関わる課題を共に考える充実したひとときとなった。
なお、例会を始める前に、本年10月に開設予定の「学びと交流の空間 関西大学梅田キャンパス」の紹介が、梅田キャンパス開設準備室長の吉原健二氏からあった。
(田中久仁雄)
((株)アサクラ=06-6354-8900)