神奈川支部
第32回散策の会で「田谷山瑜伽洞」
神奈川支部(小谷正廣支部長)では、11月3日に横浜市栄区にある「田谷の洞窟」の散策を実施した。当日は終日曇天ではあったが、風もなく晩秋にしては暖かい1日となった。
「田谷の洞窟」は正式には「田谷山瑜伽洞(たやさんゆがどう)」とよばれ、真言宗大覚寺派定泉寺の境内に位置している。洞窟は鎌倉時代初期開創と伝えられ、真言宗の僧の修禅道場として江戸時代にいたるまで適時拡張されて、総延長1000m余の壮大な規模となった。洞内には弘法大師や十八羅漢など、数百体の御仏が壁面に刻まれている。全てノミだけで彫り進んだもので、その迫力に圧倒され、また並はずれた忍耐力には敬服するばかりであった。
洞窟内に今なお残る無数のノミ跡が往時の修練行を物語っており、心の底から湧きあがる敬虔な思いに浸りつつ帰途に就いた。
(昭48学法 藤原ひで子)