博修士会
2020年度 第68回博修士会総会&学術講演会(報告)
コロナ禍での開催だったが、感染予防とソーシャル・ディスタンシングを徹底し、千里山キャンパス、第1学舎4号館2階「古文書実習室」で実施。芝井敬司学長、田中義昭校友会副会長、小谷寛子女子秀麗会会長、三木允子女子秀麗会顧問が来賓として出席された。
物故者に黙とうを捧げ、飛沫防止の観点から、学歌を一同で聞くことにした。その後、芝井学長を始め来賓からご挨拶を頂戴し、議事に移った。会則に沿って、北嶋会長の議長のもとで、2019年度事業報告と収支決算報告を承認。2020年度一般会計予算、会則の変更(文言等を実態に合わせる)について決議した。今年度は役員改選の年であり、北嶋会長の再選を全会一致で承認し、他の役員については選任していくことで了承した。
次いで本会理事でもある辰巳浅嗣阪南大学名誉教授(元学長)・日本EU学会名誉会員(元理事長)による学術講演「Brexit なぜ、なんのために?-イギリスおよびEUへの影響」を開催。「イギリスはなぜ、なんのためにEUを離脱しようとしたのか、それがイギリスやEUにどんな影響を及ぼすのか、今後の日本とイギリスの関係はどうなるのか」といった諸点について、豊富な学問と経験をもとにわかりやすく講演いただいた。まず、離脱にかかわった3人の首相の対応についての説明があり、旧ECおよびEUでのイギリスの独特な立場やEUからの脱退条項などについて取り上げられた。さらに、国家主権や産業政策・「緊密な同盟」関係・移民政策など、ヨーロッパの主権国家の抱える問題を解説された。イギリスの離脱の影響についても、イギリスにとってのメリットとデメリットを、予算分担金や安全保障・産業・対外政策・市場の側面から平易に説明いただいた。最後に、Brexit後における日本とイギリスの関係について触れられ、近年の気候変動問題や自国第一主義、自由貿易体制の維持などにも言及された。その後の質疑も活発で、大変有意義な学術講演会であった。
今回は感染対策として、恒例の懇親会は開催しなかった。次年度に期待したい。
(連絡先:総務部 中原)