経済人クラブ
第227回例会 ZOOMを利用しWEB開催
昨今のコロナウイルス感染拡大防止に配慮し、オンライン会議アプリのZOOMを活用して開催しました。参加者は「ミーティングスペース」にアクセスし始め、最終的には30人ほどが繋がりました。18時、楠副代表幹事の司会進行により開会。学歌斉唱の後、生田会長のご挨拶。WEB例会開催となった趣旨のご説明をいただきました。
その後、コロナ禍での現況・仕事の取組みについて3人の会員からお話いただきました。
1人目は杉江様(平成2年商学部卒・三興物流株式会社代表取締役社長)による講演。自社のご紹介(300台の車両を有し、幅広い物流サービスを展開)や、物流業界の現状を発表されました。事業のボリュームゾーンとなっている、卸からスーパーなどの流通店舗へ商品を届ける「商業物流(中間物流)」や「消費者物流」が活況で、休む間もないほどだったとのこと(トイレットペーパー不足の際は徹夜で業務にあたられた)。その他、住宅関連、ホテルへのリネン関係の業務を展開されるなか、住宅関連は巣ごもり需要等で堅調だったが、ホテル関連は客室稼働率に連動するため、ほぼ壊滅的とのお話し。仕事を行う際にはマスク着用と消毒の徹底などに従業員全員が気を遣い、安全に業務を回していることなど、実情についてもお話しいただきました。最後に、今後のデジタル化・自動化への構想や人材確保についてなど、変化する情勢にしっかりと対応していくとの経営姿勢を語られました。
続いて、門脇様(平成22年法学部卒。lifestyle consulting inc代表)の講演。自己紹介と起業のきっかけまでのお話をいただきました。大学時代は「陰キャラ」で、オービック入社後は、昼はサラリーマン、夜はDJという二足の草鞋を履く生活を送っていたそうです。「事業(会社)がしたい」という目標があり、自分の強みを思案したところ、もともと好きだった「音楽」を武器にしようとDJを始めたとのこと。外資系高級ホテルのイベントでは「日常的に英語を使う」ので、留学せずとも英語能力が上達したという経験から、「これをビジネスにできないか」と、会社を立ち上げられたそうです。lifestyle consulting incの事業は英語力を高め、自分(顧客)の人生をより良くしたいという理念のもと、「隙間時間を活用して英語を教えたい人」と「英語を学びたい人」をつなぐマッチング活動に、音楽イベントなど遊び要素を盛り込み差別化を図っています。現下においては「衛生面対策」「オンラインレッスンの開講」「今できることをやる」の3つを念頭に、特に「今できることをやる」という思いは、起業早々にコロナ禍となった経緯もあり、社会の状況変化にしっかり対応していく、という強い思いを感じる言葉でした。
最後は、永尾経済人クラブ副会長(昭和61年法学部卒。白ハト食品工業株式会社代表取締役社長)の講演。目下、打撃を受けている「外食」「観光業」「イベント関連」の全てに当てはまり、特にオリンピックでは90会場が中止に追い込まれるなど、「コロナの影響を受けた、日本を代表する企業」との説明がありました。実際、インバウンドや出張も制限された影響で、新大阪の店舗は最も落ち込みが大きい時期で前年度3%、現在はようやく30%まで戻ってきたとご説明がありました。経営者として優先順位を決め、「やれることをやる」「ピンチをチャンスに変える」ことを意識され、特に以下を実行されました。
① 社員について
・19人の新入社員は全員リモートでの業務を行わず、農業をしてもらった
・将来から逆算すると、必然的にコロナを理由にした解雇は行わない
・役員以外の減給をしない
② 社長が暗い顔をしない
社員がワクワクできるように、明るい未来を提示するように心がける
③ DX(デジタルトランスフォーメーション)にシフトしつつ良い「群れ」を作る
・アナログエクスチェンジと称して、少人数の飲み会を開催するなどコミュニケーション強化を図った
・短時間でも「会いたい」と言ってもらえるよう、人間的な魅力を作る努力をする
また、「35年前のご自身の原点回帰」について、「ミナミ・道頓堀活性化」の取組み、農業を通じて茨城や福島などで展開している「SDGsモデル事業」のご案内など、いまだからできることというポジティブな思考や発想を随所に散りばめられたご講演をいただきました。
最後に質疑応答をいただき、例会は終了。「場所を選ばない」というオンライン特性により、普段は参加が叶わない遠方からの会員のご参加もあり、素晴らしい例会になりました。
今後、ペーパーレス化・議事録のデジタル化・働き方や企業の就業スタイルなど、確実に世の中が変わってきていることを実感した会でもありました。
(平成10年社会学部卒業 経済人クラブ事務局 関大パンセ 寺本 和史)